ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジル中銀が5会合連続の利上げ【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジル中銀が5会合連続の利上げ【デイリー】

2015年4月30日

【ポイント1】市場予想通り0.50%の利上げ

政策金利は2009年1月以来の高水準
■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は29日、市場の大方の予想通り政策金利を0.50%引き上げ、13.25%とすることを全会一致で決定しました。

■政策金利は、昨年10月の会合から5会合連続で引き上げられ、2009年1月(13.75%)以来の高さになりました。

【ポイント2】物価高を警戒

増税や補助金削減などが押し上げ
■3月の消費者物価指数は、前年同月比+8.13%と、中銀の物価目標(年+2.5%~+6.5%)の上限を大きく上回る状況が続いています。背景には、干ばつの影響による食品の値上がりや、電気料金の引き上げなどがあります。

■政府が財政再建に取り組むなか、増税、補助金の削減、公共料金の引き上げが物価高につながっています。市場では当面物価が高止まると予想されており、物価高が景気を抑えるとの懸念も強い状況です。そのため、中銀は今回も利上げを続けることが適切と判断したと見られます。

【今後の展開】レアルが回復傾向をたどるなか、利上げ継続を巡り議事録に注目

■3月末にルセフ大統領が財政再建への強い意思をあらためて示し、議会の指導者が協力を表明したことなどから、足元でレアルは回復傾向にあります。海外と比較して高い政策金利も下支え要因となり、レアルは堅調な推移が続きそうです。

■レアルの堅調な推移などを背景に、市場では中銀が利上げを打ち切り、次回会合(6月2日~3日)以降、政策金利を据え置くとの見方が強まっています。

■5月7日に今回の会合の議事録が発表予定であり、利上げ打ち切りを示唆する内容が盛り込まれるか、注目されます。

■利上げ打ち切りとの見方が強まると、レアルは短期的に上値が抑えられる可能性があります。ただし、物価抑制により企業や消費者の信頼感が持ち直す場合には景気回復への期待が強まり、レアルをサポートすると見込まれます。

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