ホームマーケット日々のマーケットレポートメキシコの金融政策(2016年8月) 政策金利を据え置き:ペソの動向を注視/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

メキシコの金融政策(2016年8月)
政策金利を据え置き:ペソの動向を注視【デイリー】

2016年8月12日

【ポイント1】政策金利を据え置き

■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は11日、政策金利(翌日物銀行間レート)を4.25%に据え置くことを決めました。

■中銀は、通貨安に歯止めをかけるため、今年2月に続き、6月30日にも0.5%の追加利上げを行いました。その後も、メキシコペソは最安値圏でもみあっていますが、4-6月期GDPが前期比▲0.3%となるなど、景気に減速感が見られることもあり、現状の金融政策を維持したと見られます。

【ポイント2】通貨安警戒姿勢を継続

■7月の消費者物価指数は前年同月比+2.65%と、中銀が目標とする+3.0%を下回る水準にあります。ただし、中銀は、声明文の中で、通貨ペソの下落が将来の物価情勢に悪影響を与える可能性があるとしています。

■中銀は、今後もペソの動きや米国の金融政策を注視しながら、インフレが目標の3%に収束するよう機動的な措置をとると述べており、必要に応じて利上げを行うスタンスと見られます。

【今後の展開】機動的な金融政策がペソをサポート

■ペソは11日、1米ドル=18.22ペソ、1ペソ=5.59円で引けました。ペソについては、米国の利上げ観測の強弱に加え、米国との国境間の壁建設や移民排斥などを主張している、共和党のトランプ候補の支持率など、米国の大統領選挙の行方が当面注目材料となりそうです。為替市場は、世界景気や政治情勢の不透明感などから、不安定な局面を迎える可能性がありますが、中銀が物価上昇や通貨下落の抑制に機動的に取り組む姿勢は、ペソの下支え要因になると思われます。

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