ホームマーケットなるほど!ザ・ファンド【Vol.155】わたしたちの年金積立金はどのように運用されている?

【Vol.155】わたしたちの年金積立金はどのように運用されている?

2022年12月19日

長期的観点に基づき、複数の資産に投資することで、価格変動リスクを低減させて好リターンをめざす「分散投資」を基本として運用をされています。

日本の公的年金(厚生年金保険と国民年金)の運用を担っているのがGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)です。その運用資産総額は約193兆円(2022年9月末現在)にのぼり、「世界最大級の年金基金」となっています。GPIFは、インフレやデフレをはじめとする様々な運用環境の下で、長期にわたり安全かつ効率的に年金積立金を運用するため、「分散投資」を行っています。「分散投資」は、複数の資産を組み合わせて運用を行うことで、投資におけるリスクを低減させるための方法として、広く知られています。

GPIFでは分散投資を行うに当たり、基本となる資産構成割合(以下、「基本ポートフォリオ」)を定めています。過去には国内債券中心の運用となっていましたが、2014年の基本ポートフォリオ見直し時に、国内債券の比率を大幅に減らしました。さらに、2020年4月の基本ポートフォリオ見直しでは、国内金利の低下から、国内債券の割合を減らした一方、相対的に金利が高い外国債券の割合を増やしました。

2022年度の運用実績(収益額)は、主要先進国の金融引締めによる景気後退への警戒感等から主に国内外の株式市場が下落した影響を受け第1、第2四半期ともにマイナスとなり、第2四半期までで▲5兆4,721億円となりました。2001年度(市場運用開始)以降の累積収益額は約100.0兆円にのぼっています。

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