ホームマーケットなるほど!ザ・ファンド【Vol.201】日銀が金融緩和政策を修正、何がどう変わったの?

【Vol.201】日銀が金融緩和政策を修正、何がどう変わったの?

2024年4月12日

短期金利の誘導目標が0~0.1%程度となり、約17年ぶりに政策金利がプラスとなりました。今後、基調的なインフレ率が上昇すれば追加利上げの可能性も。

◆ 足元までの日本銀行(日銀)の主な金融緩和政策を振り返ると、2013年4月に「量的・質的金融緩和」という大規模な金融緩和政策が導入されました。その後、金融機関が保有する日銀当座預金に▲0.1%のマイナス金利を適用する「マイナス金利政策」と、10年物国債金利が概ねゼロ%程度で推移するようにする「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)」どが追加されました。このほか、量的緩和としてETFやJ-REIT、社債等の買入れも行われてきました。これに対し、日銀は2023年7月と10月にYCCの運用の柔軟化を発表し、金融政策の正常化に向けて動いてきました。


◆そして2024年3月、金融緩和政策の大きな修正に至りました。主な修正点としては、短期金利の誘導目標として無担保コール(オーバーナイト物)を0~0.1%程度で推移するように促すとし、マイナス金利政策を解除しました。一方、長期国債についてはこれまでと概ね同様に買入れを継続するとしており、長期金利の急激な上昇には機動的に対応するとしています。政策金利は約17年ぶりにプラスの水準となったものの、長期金利については当面は大きな上昇には至らなそうです。また、ETFとJ-REITの新規の買入れは終了し、社債等については1年後をめどに買入れを終了するとしています。

◆日銀は、2%の「物価安定の目標」が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったとの判断から上記の政策修正に至りました。今後については、植田日銀総裁は基調的なインフレ率は2%に達していないものの、それが上昇してくれば、追加利上げを検討する可能性があると発言しています。

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