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ADBのアジア経済見通し(アジア)【キーワード】

2014年10月14日

<今日のキーワード>
ADBとはAsian Development Bank の略で、アジア開発銀行のことです。アジア・太平洋地域を貧困から開放し、その生活向上に貢献することを目的として1966年に設立されました。設立当初の31カ国・地域の加盟から、現在は67カ国・地域(うち48カ国・地域がアジア・太平洋地域)に増えています。ニ大出資国は日本と米国で、アジア開発銀行の総裁は中尾武彦氏(元財務省財務官)です。

【ポイント1】ADBが経済見通し「2014年改定版」を発表

アジア途上国の経済成長率見通しを据え置き
■ADBは9月25日、「アジア経済見通し」(日本などの域内先進国を除いたアジア・太平洋の45カ国・地域(以下、45カ国)を対象)の改訂見通しを発表しました。これによると、45カ国の実質GDP成長率は、2014年が前年比+6.2%、2015年が同+6.4%と、今年4月に発表された見通しがともに据え置かれました。引き続き来年に向けて緩やかな成長率の加速が見込まれています。10月7日に発表されたIMFの見通しでも、アジア新興国の経済成長率は、2015年に加速が見込まれています。

【ポイント2】インドの経済成長率を上方修正

中国は据え置き、東南アジアは下方修正
■各国・地域別では、インドの2015年の成長率見通しが前年比+6.3%(4月発表、同+6.0%)へ上方修正されました。 ADBは、輸出の回復や新政権による経済構造改革の実施がインドの経済成長率を押し上げると見ています。

■中国は、政策により投資の安定が図られているとされ、2014年の経済成長率は前年比+7.5%、2015年は同+7.4%に据え置かれました。東南アジアは、内需が想定よりも弱かったことから、2014年の成長率は前年比+4.6%(4月発表、同+5.0%)へ下方修正されました。2015年は、主要先進国の景気回復やタイが経済の停滞から抜け出すことを受け、成長率は同+5.3%への加速が予想されています。

【今後の展開】アジア新興国の成長率は世界の主要地域の中では最も高くなる見通し

■物価上昇率は安定の見込み
物価上昇率は、食糧価格の上昇率が鈍化していることや石油価格が安定していることから、足元では落ち着いて推移しています。物価上昇率は、2015年に上昇するものの、緩やかにとどまる見通しです。各国の中央銀行は政策金利を概ね据え置いており、この傾向は当面続きそうです。

■世界の中で最も高い経済成長率へ
主要先進国の経済成長率は、欧州経済が弱含んでいることなどから2014年が同+1.5%、2015年が同+2.1%と低めの見通しです。アジア・太平洋地域の経済成長率は、中国、インド、インドネシアなどで経済構造改革が見込まれることを受け引き続き世界の主要地域の中で最も高くなる見通しです。

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