ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る中国経済(2014年9月)  生産が鈍化、輸出は堅調、景気刺激策に期待【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る中国経済(2014年9月)  生産が鈍化、輸出は堅調、景気刺激策に期待【デイリー】

2014年9月17日

【ポイント1】生産の伸びが大きく鈍化

消費も伸び悩みが続く
■8月の鉱工業生産は前年同月比+6.9%と、7月の同+9.0%から大きく鈍化しました。これは5年8カ月ぶりの低水準です。主な製品別では、自動車が7月の同+10.5%から、同+3.1%へと大きく鈍化しました。また、経済活動と関係が深い発電量も同+3.3%から同▲2.2%へと、5年3カ月ぶりの水準まで低下し、前年割れとなりました。

■8月の製造業景況感指数、特にそのうち新規受注の改善が、一旦頭打ちとなっており、景気刺激策への期待が高まっています。

■8月は小売売上高も、同+11.9%へと鈍化しました。自動車販売額が同+5.3%と、約2年ぶりの低水準となっています。販売が毎年好調となる9月、10月に持ち直しがあるかが注目されます。

【ポイント2】貿易黒字額は過去最高

米欧やASEAN向け輸出がけん引
■8月の貿易黒字は498億ドルと、過去最高を更新しました。輸出額は前年同月比+9.4%、輸入額が同▲2.4%となりました。輸出額は米、欧、ASEAN向けが二桁増となってけん引しました。

■一方、内需の鈍化もあり、原油や鉄鉱石などの輸入が伸び悩んだ結果、黒字額が膨らみました。

【今後の展開】景気刺激策の拡充に期待、金融緩和策を強化する可能性も

■上記以外にも、固定資産投資や社会融資総量など、9月発表の内需関連指標は、予想を下回る低調なものでした。ただし、外需が堅調なことなどから、なお通年+7%前半~半ばの経済成長が達成可能と見られます。

■市場では、内需の下振れを受け、景気刺激策の拡充期待が増しました。今後はインフラ投資の拡充、金融緩和策の強化などが想定されます。

■10月21日の7-9月期GDPの発表前後には、政府が政策を発表しやすく、動向に注目です。

■中国株は底堅く推移しています。最近の上昇を踏まえても、歴史的に見て、また、先進国と比較して、割安なことに変わりは無いと見られます。

■今後も、改革の進展や企業業績の回復期待、相対的に高い成長力への評価などから、株価は緩やかな上昇基調を続けるものと思われます。

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