ホームマーケット日々のマーケットレポート原油価格の動向 足元は堅調だが上値は重い展開へ/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

原油価格の動向 足元は堅調だが上値は重い展開へ 【デイリー】

2016年8月23日

【ポイント1】原油は8月に入り急反発

40ドル割れから2割以上の上昇

■2月以降、上昇基調で推移してきた原油価格は、7月には軟調に転じ、8月2日には1バレルあたり40ドルを割り込む水準まで下落しました。需給改善が進まないうえ、複数の産油国で発生していた生産障害の回復や、米国のリグカウント(新規の石油井戸の掘削数)の増加が背景です。

■ただし、その後は反発に転じ、19日には48.52ドルまで急回復しました。

【ポイント2】9月にOPEC会合開催へ

増産の凍結を打ち出せるか?

■原油価格反発の背景は、サウジアラビアのエネルギー産業鉱物資源相の、「9月にアルジェリアで予定されているOPECの非公式会合で原油の増産凍結を含む措置を協議する。」との発言です。これに呼応して、ロシアのエネルギー相も、「石油市場の安定に向けてサウジアラビアや他の産油国と協議を続けていく。」と協議に同調する姿勢を見せています。

■需給実態の改善がなかなか進まず、市場参加者の売りポジションが積み上がっていた相場環境であったため、買戻しが市況上昇の一因とも考えられます。

【今後の展開】上値が重い展開を想定、40~50ドルのボックス圏での推移か

■今回の会合で、増産凍結の結論が出る可能性は低いと思われます。産油国がいずれも石油収入減を増産でカバーしているのに加え、これまで減少の一途をたどってきた、米国のシェールオイルのリグカウントが、油価の反発とともに増勢に転じているためです。

■仮に増産凍結の結論が出ても、世界の原油需要の増加率は1%程度にとどまるとの見方が有力であり、需給のひっ迫感までは発生しないと思われます。このため、原油価格の上値は重く、当面40~50ドルのボックス圏での値動きになるのではないかと予想されます。

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