ホームマーケット日々のマーケットレポートブラジルの金融政策(2016年4月) 6会合連続で政策金利据え置き/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

ブラジルの金融政策(2016年4月)
6会合連続で政策金利据え置き【デイリー】

2016年5月2日

【ポイント1】政策金利据え置き

まだ高いインフレ期待

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は、4月27日、市場の予想通り、政策金利を14.25%に据え置くことを決定しました。政策金利の据え置きは、6会合連続となります。

■中銀は、インフレ抑制政策の効果を認めながらも、インフレが中銀の目標上限を上回っていることを、政策金利据え置きの理由としています。

【ポイント2】インフレ率は低下基調へ

政権交代の可能性も配慮か

■インフレ率は16年3月の消費者物価指数の前年同月比が+9.39%と、1月の同+10.71%から低下しています。中銀調査による市場予想では、今年年末に同+6.98%、17年末には同+5.80%に低下すると見られています。

■一方、現在、ルセフ大統領の弾劾手続きが議会で進行しており、政権交代が近いとの見方が高まっています。政権が交代すれば、経済・金融政策当局者が変わる可能性もあり、中銀はこれらの行方を見守ったとも考えられます。

【今後の展開】下落傾向を脱しつつあるブラジルレアル

■ブラジルレアルには、今年の2月以降、過去数年の下落傾向に変化が現れ始めています。原油を始めとする資源価格が上昇し、世界的に金融市場が安定化していることが主因ですが、政権交代と新たな経済政策への期待がレアルを押し上げている面も大きいと見られます。

■今後のレアルの動きについては、政権交代の期待感の高まりが、一旦はかなり織り込まれたことから、概ねレンジ内での推移となりそうです。インフレ率の低下や金融緩和への期待といったレアル安要因と、政権交代を含めた政治・経済状態の改善期待といったレアル高要因が拮抗すると見込まれます。

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