ホームマーケット日々のマーケットレポート最近の指標から見る日本経済(2014年9月)  増税後の回復が足踏み、雇用改善の波及効果に期待【デイリー】/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

最近の指標から見る日本経済(2014年9月)  増税後の回復が足踏み、雇用改善の波及効果に期待【デイリー】

2014年9月10日

【ポイント1】鉱工業生産指数は2カ月ぶりにプラス

増税後の消費にやや足踏み感
■7月の鉱工業生産指数(季節調整値)は前月比+0.2%と2カ月ぶりにプラスとなりましたが、前月に公表された7月の予測指数(同+2.5%)を下回りました。機械類などの「生産財」はプラスとなりましたが、乗用車などの「耐久消費財」がマイナスとなり、消費税増税の影響が一部に残りました。

■7月の小売業販売額指数(季節調整値)は前月比▲0.5%と3カ月ぶりにマイナスとなりました。消費税増税の影響は和らぎつつあるものの、回復に足踏み感が見られます。

【ポイント2】有効求人倍率は高水準を維持

現金給与総額は11年ぶりの増加率
■7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.10倍と前月比横ばいながら高水準を維持しました。これは1992年6月以来22年ぶりの水準です。産業別では、製造業や卸売業、小売業などで新規求人が増加しており、雇用状況は引き続き逼迫していると見られます。

■7月の現金給与総額(季節調整前)は前年同月比+2.6%と5カ月連続で増加しました。2003年6月以来約11年ぶりに2%超の増加率となりました。ボーナスの増加に加え、基本給や時間外手当なども増加しました。

【今後の展開】今後は雇用改善による波及効果に期待

■現金給与総額は増加したものの、物価の影響を除いた実質賃金はマイナスとなりました。雇用状況が逼迫していることや企業業績が改善しているなどから、今後の賃金上昇に期待したいところです。

■政府は7-9月期の景気状況を見定めて、12月頃に消費税率の再度引き上げを判断する方針です。持続的な成長軌道に乗せるためにも、アベノミクスの着実な実行が求められます。

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