ホームマーケット日々のマーケットレポート円高の急伸を背景に日本株式は大幅安/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

円高の急伸を背景に日本株式は大幅安 【デイリー】

2016年5月2日

【ポイント1】大幅安となった日本株式

2014年10月以来の円高を嫌気

■週明けの東京株式市場は大荒れの展開となりました。日経平均株価は、日中に一時約1カ月ぶりに1万6,000円台を割り込みました。その後は、狭いレンジでの推移となり、▲518.67円の1万6,147.38円で引けました。

■今回の調整は、4月28日の金融政策決定会合で日銀が追加金融緩和を見送ったため、急激な円高米ドル安が進み、それが嫌気されました。円/米ドルレートは、14年10月以来の106円台を付けました。

【ポイント2】材料が重なり、円高加速

■今回の円高は、さらに幾つかの材料が重なりました。1つが4月29日に発表された米国財務省の半期の為替報告があります。日本は、中国などとともに為替操作への監視を強化する「監視リスト」に指定されました。このため、日本政府の円売り介入は難しいとの認識が強まったもようです。また、日本がゴールデンウィークを迎えたことで市場参加者が限られていたことも円高を加速させた要因と思われます。

【今後の展開】企業業績の下方修正は想定内で5月の経済対策等に注目

■当面は、円/米ドルレートの落ち着きを待つ必要がありそうです。米国財務省は日本を「監視リスト」の対象としましたが、財政政策や積極的な構造改革が重要と指摘しています。5月26-27日の主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)において、各国が財政出動で協調することを演出できれば、景気の先行き懸念が払拭され、円安トレンドへの転換も考えられます。

■円高の進展によって企業業績が下振れる可能性も指摘されていましたが、下方修正は想定の範囲内に留まっている模様です。今後の業績を予想する上で通貨の安定や景気刺激策が重要で、こうした観点からも5月の経済対策やサミットの動向が注目されます。業績の悪化に歯止めがかかることが確認されれば、株価も次第に下値を固めることが可能と考えられます。

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