ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,375】改善が続く、東京のオフィス「空室率」(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,375】改善が続く、東京のオフィス「空室率」(日本)

2014年7月22日

1.オフィスの「空室率」を知るには?

 オフィス仲介大手の三鬼商事(東京・中央)がホームページにデータを公表しています。毎月中旬頃に、「空室率」のほか平均賃料や棟数などのデータが公表されています。東京、横浜、大阪、名古屋、札幌、福岡のビジネス地区について新築、既存ビルに分けられたデータとなっています。

2.最近の動向

 10日に公表された6月の東京都心5区のオフィスビルの「空室率」は、前月比▲0.07ポイントの6.45%と12カ月連続で低下しました。直近ピークの2012年5月の9.40%から大幅に低下しています。また、6月の月平均賃料は16,607円(1坪当り)と6カ月連続で上昇し、底打ち感が鮮明となってきました。
 6月は地上52階建ての超高層複合ビル「虎ノ門ヒルズ」がオープンしましたが、ほぼ満室での開業となるなど活況を呈し、新築ビルの空室率は5月の20.42%から18.09%へ▲2.33ポイント低下しました。既存ビルも前月比▲0.06ポイントの6.23%に低下するなど、オフィス需要は底堅く推移しています。

3.今後の展開

 6月発表の法人企業統計によると2014年1-3月期の全産業(金融、保険を除く)の経常利益は前年同期比+20.2%と4四半期連続で20%超のプラスとなりました。企業収益が回復していることや、景気が緩やかながら回復傾向にあることなどから、不動産市況は今後とも改善傾向が続くと思われます。
 賃料の推移を見ると、ボトムからピークまでの期間は4~5年程度と比較的長く、最近では2013年末にボトムを打ったと見られることから、2020年の東京オリンピックに向けて、都心部の不動産市況は活況が見込まれます。日本のリートは海外と比べオフィスに特化したものが多く、リート指数全体で見たオフィスビルの構成比は約4割と言われており、J-REITにとっては好環境が続くと見られます。

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