ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,304】株高で「家計の金融資産」は過去最高を更新(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,304】株高で「家計の金融資産」は過去最高を更新(日本)

2014年4月8日

1.「家計の金融資産」を知るには?

 日銀が3カ月に一度公表する「資金循環統計」が参考になります。これは「家計」、「民間事業会社」、「金融機関」、「政府」など各部門の金融資産と負債の推移を、預金や貸出といった金融商品毎に記録した統計です。これにより国内の資金の流れが把握されます。

2.最近の動向

 2013年10-12月期末の「家計」の金融資産残高(速報値)は前年同期比+93兆円(同+6%)の1,645兆円となりました。これはリーマンショック前のピークであった2007年4-6月期の1,604兆円、2013年7-9月期の1,609兆円をともに大幅に上回り過去最高金額です。現金・貯金や、保険・年金など各項目が増加していますが、特に株式・出資金の残高が前年同期比+43兆円と大幅に増加したことが貢献しました。また資金循環統計はストック(残高)とフロー(資金流れ)のデータが記載されていますが、株式・出資金残高の増加はフローが▲7兆円(マイナスは売却超過)であったことから、株価の上昇で時価が50兆円増加したためであることがわかります。

3.今後の展開

 2013年一年間の株価上昇率は、日経平均株価で見て前年末比で+57%となりました。これは2012年12月に第2次安部政権が誕生して以来、積極的な経済政策が打ち出されたことで将来に対する期待感が高まったことや、日銀の異次元金融緩和などによる円高是正で企業業績に回復の兆しが出てきためと思われます。しかし、今年4月から消費税が5%から8%へ引き上げられたことで、増税前の駆け込み需要の反動減や買い控えが予想され、また、ウクライナ問題などの海外情勢も混迷しているため先行きに対する不透明感が高まってきており、足元の株式市場は上値の重い状況です。今後は年明けから少額投資非課税制度(NISA)が導入されたことで新たな個人投資家の株式市場への参入が期待されることや、賃上げ交渉も順調に推移していることで家計の収入増も予想され、また、アベノミクスの「第三の矢」(民間投資を増加させる成長戦略)などから株価上昇の期待が高まることも想定されます。「家計」から株式市場への資金流入が期待されます。

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