ホームマーケット日々のマーケットレポート【キーワード No.1,305】増税目前の「街角景気」、現状指数は過去最高に(日本)/マーケット情報・レポート - 三井住友DSアセットマネジメント

【キーワード No.1,305】増税目前の「街角景気」、現状指数は過去最高に(日本)

2014年4月9日

1.「街角景気」とは?

 内閣府が毎月実施する「景気ウォッチャー調査」で把握できます。「街角景気調査」とも呼ばれるこの調査は、タクシー運転手、コンビニエンスストアの店長、レストラン経営者など、景気に敏感な約2,000人が調査対象(ウォッチャー)です。算出された指数から好不況を判断する際の中立水準は、50ポイントです。

2.最近の動向

 3月の「景気ウォッチャー調査」(調査期間3月25日~31日)では、「現状判断指数」が前月比+4.9ポイントの57.9ポイントとなりました。2000年1月の調査開始以来の最高水準です。3月は指数が上振れる傾向があるとは言え、増税前の経済活動は活発だったようです。
 街角の声には、「家具、家電、敷物などの伸びが著しい。化粧品、高級衣料・雑貨、美術、貴金属、時計、眼鏡も好調(九州の百貨店)」、「増税を前に月を追って荷動きが活発化(東海の輸送業)」、「来店客、販売量ともに増加。冷蔵庫、洗濯機、エアコンなどが好調(南関東の家電量販店)」といったものがありました。

3.今後の展開

 2~3カ月先の見通しを示す「先行き判断指数」は前月比▲5.3ポイントの34.7ポイントと、大きく低下しました。内閣府は景気の基調判断を「緩やかに回復している。また、消費税率引上げに伴う駆込み需要が強まっている。なお、先行きについては、駆込み需要の反動減等の影響が見込まれる」としました。
 先行き判断指数は、震災があった2011年3月以来の低水準となりました。しかし、急落は3月の消費意欲が想定以上に堅調だった反動という側面もあります。こうしたなか、4月以降の消費が懸念されたほど消費税増税の影響を受けない可能性も意識され始めました。例えば、「住宅」分野では、住宅ローン減税が拡充され、影響は軽減される見込みです。また、生活必需品の買い込みも、「1997年の増税時とは違い、影響は2カ月ほど(北関東のスーパー)」との指摘が聞かれます。
 総じて、増税前の反動減に加え、今年のゴールデン・ウィークが日並びに恵まれなかったことなども踏まえれば、4月~5月の国内消費には足踏み感が見られる可能性があります。一方、夏にかけては勤労者が賃上げやボーナスの増額などで、景気回復から賃金への好循環を実感する機会も増えそうです。消費税増税の影響が一時的となり、今夏にかけて「街角景気」も熱を帯びてくるよう、期待したいところです。

関連マーケットレポート