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「FOMC議事録」と金融政策(米国) 【キーワード】

2016年8月19日

<今日のキーワード>
「米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録」は、FOMCから3週間後に公表されます。FOMC終了直後に公表される声明文で景気や物価、金融政策に関する判断が明らかにされますが、議事録はその判断に至るまでの議論が記録され、より詳細な情報を得ることができます。7月26日~27日に開催されたFOMCでは、政策金利が据え置かれました。その内容に関する議事録は、8月17日に公表されました。

【ポイント1】短期的な不確実性が後退

国内景気に対する評価は前進

■今回のFOMC声明文は、「米国景気は緩やかなペースで拡大し、労働市場は力強さを増した」と述べたうえで、景気見通しに対する「短期的な不確実性の後退」を指摘しました。

■不確実性が後退した要因として、①英国による欧州連合(EU)離脱選択の影響が軽微なものに止まり、金融市場の混乱が一時的なものに終わったこと、②5月に鈍化した米国の雇用増加ペースが6月に急速な持ち直しを見せたこと、を挙げています。

【ポイント2】先行きについては、緩やかな利上げで概ね一致

利上げ時期については意見に相違

■景気の緩やかな拡大見通しに加え、物価上昇率がFOMCの目標値である+2%を下回っている状況を踏まえ、「緩やかなペースで利上げを継続する」との方針で概ね意見が一致しました。

■政策金利の水準が低く、景気が悪化しても利下げを行う余地が小さいことから、「早すぎる行動によって景気が失速するリスクは避けたい」という意向もあったと見られます。

■他方、数名の委員は、「低金利の長期化は後々の物価高騰や、バブル発生による経済の不安定化につながりかねない」ため、素早い行動が必要と主張しました。なかには、今回会合で利上げに踏み切ることを主張した委員もいました。

【今後の展開】金融資産に有利な環境が続く見込み

■今回の「FOMC議事録」の内容は、「緩やかな利上げ」を改めて確認するものでした。これを受け、米国株式は小幅ながら上昇、債券利回りは低下、為替市場では主要通貨に対してドル安となりました。

■景気、物価動向から判断すると、次回の利上げは今年12月と考えられます。いずれにしても、物価安定の下での緩やかな景気拡大という、金融資産にとって有利な環境が継続する見込みです。

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